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「俺の夢は…」
言いかけて一瞬悩んだ。
三年間追い続けた歌手と言う夢。
しかし三年間追い続けてもかすりもしなかった夢。
俺はまだこの夢を追い続けるのか?
俺はこの先、どうしたいんだ?なにがしたいんだ?
「俺は歌手になりたい!俺が作った歌をみんなに伝えて、想いを感じて欲しい!」
そうだ、俺の歌への想いは三年なんて期間はなんともないくらい大きく固いはずだ。
悩まない。俺は、俺の歌を歌いたい。
「宮城 ハル。あなたの夢は歌手。間違いないね?」
鋭い眼差しで確認してくる。
あれ?俺名乗ったか?
「あぁ、間違うはずがない。俺の夢だ!」
はっきり言い切った、力強く、想いを込めて…。
「転生使No.38 全能なる我等が父ゼウス。我が使命により契約されし者の名を伝えん。彼の名は宮城ハル、我と契約を結ばんと力を求める者なり。
我に力を与えん、彼の者を『ウタウタイ』にせん力を…」
彼女がそう言い終わると彼女の右手に紋章が浮かび上がった。
そして俺の左手にも同じく、青く雪の結晶の様な模様が浮かび上がった。
「…よし。2004年12月25日0時1分、契約成立。これから一年間よろしくね、ハル」
まじかよ…いや、まじなんだな、手品とかじゃないよな
手に現れた紋章をさすりながら、現実に起きている事を整理した。
「ん…あぁ、よろしくな。で?俺は何をすればいいんだ?」
自分に言い聞かせるように俺は彼女に聞いた。
「何もしなくていいの、今まで通り、夢に向かって頑張って。私はそれを手助けするだけ、あなたの夢はあなた自信が叶えるのよ?解った?」
「そう…か、解った。とりあえず今日はもう遅いから続きはまた明日にしよう」
さすがにイロイロありすぎて疲れた。もう寝たいってのが本音だ。
「そだね、じゃあおやすみ」
そう言って銀髪の彼女は俺のベッドに潜り込んだ。
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