第1章 ―舞い降りた雪―

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………? はいっ? 「ちょっ!おまっ!何人のベッドで寝ようとしてんだよ?自分の家帰れって!」 「だぁかぁらぁ、私は天界から来たんだから人間界に家なんかあるわけないでしょ?」 あぁ、なるほど…。 てことは? 「これから一年お世話になりまぁす」 まさか…! これから一年俺の部屋に住む気か? のぉぉぉ! 「ちょっと待て待て!一応俺は男でお前は女だ!こういうのはだな…」 「…すー、すー…」 寝てるし…。 「ったく、ベッド取りやがって、床で寝ろってか?」 寝てりゃあ可愛いのに…。 俺はため息をついて電気を消した。 「おやすみ」 床に寝転び、目を閉じた。 「一年…か… まぁ、よろしくな」 不思議と笑みがこぼれていた。いきなりの来訪者は、それこそ天使の様な寝顔で夢の中に旅立っていた。 これが俺と彼女との出会い。 本当に不思議な夜だった、一生忘れないだろうな。こんな出会い方をしちまったんだから。 イヴからX'masへ、聖なる夜へ変わった夜。俺は天使の様な彼女に一言言葉を贈り眠りについた。 「メリークリスマス…」
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