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-12月25日 PM6:00-
ハルの部屋
「ハ~ル~、早くぅ」
沙弥はテーブルの前にきちんと座り、箸を茶碗に打ち付けながら晩御飯を催促する。
「行儀悪いぞ、もうすぐだから大人しくしてろ」
全く、子供かよ…。
ん?そういえばあいつ歳いくつなんだ?
「なぁ沙弥」
俺は出来上がった料理を運び終えると、沙弥に声をかけた。
「んっまぁい!…ん?はに?んぐんぐ、ハウ」
「とりあえず口の中の食い物を飲み込んでから話せ」
何を言ってるかわかんねぇよ。
「んっ、あぁ~。おいしっ、で?何?」
「沙弥って歳いくつ?」
「120歳」
ひゃっ!ひゃく~っ!
「は?百って…」
有り得なくね?有り得ないよね?
見た目俺より絶対年下だよ?
「あぁ、転生使でいうとだよ?人間で表すなら大体20歳前後かな」
よかった…。
色んな意味で、よかった。
「そうなのか、びっくりしたぞ。そうか、20歳か…」
「なに?ハル。私が若くて嬉しい?」
やめやめ!その下から覗き込むみたいな見つめ方っ!
「べっ、別にただ気になっただけだって」
別にツンデレとかじゃないんだからねっ!
「もちろん体も若いよ?」
えっ?なにその座り方?
膝抱えて上目遣い?
ちらって見えてるからっ!あなたパーカーダボダボなんだからさっ!
「っ~~!」
やっべ、顔熱い…。
「おっ、俺風呂入るから!食い終わったら食器洗い場に置いといてな?」
俺は逃げる様に風呂場に入っていった。
「アハハッ、ハルってば可愛いっ」
沙弥は少し頬を赤らめながら笑みを見せた。
「気のせい気のせい気のせい気のせい気のせいっっ!」
俺は湯舟に浸かりながら呪文を唱えていた。
「ときめいてなんかいないぞ!…そうっ!女っ気のない一人暮らしだったんだ、免疫がないからちょっとドキッてしただけだ!」
俺はそう自分に言い聞かせると頬をパシッと叩き浴室を後にした。
「おい、沙弥。風呂空いたぞ」
俺はテレビを食いつように見ている沙弥を風呂に促すと、疲れを体中に感じベッドに横たわった。
あ~、やばい。疲れた…。
俺は夢の中に落ちて行った。
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