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……。
ズズズッ…
先程俺に容赦ないコメントをした女は、俺の部屋で正座をしながらお茶をすすっている。
「おいしいね、コレ。おかわり」
女は湯呑みを突き出した。
時をさかのぼる事20分。
-PM9:40-
「っ!なんだと?」
俺は苛立ちを隠せなかった。
あれだけの想いを込めて歌った歌を死んでいるだと?わけのわからんこてを…。
いきなり現れて何様だよ!
「聞こえなかった?あなたの歌は死んでるって言ったの。生きてないの。解る?」
こいつまで同じ事を言うのか?いったいなんだってんだ!歌が死んでる?意味が解らない。
「いったいなんなんだ?歌が生き物だとでも言うのかよ?」
俺は頭に血が上り、叫び声に近い声を上げた。
「そうだよ」
なっ、に…?
「歌はね、生き物なんだよ?私たちと同じように生きて、伝えているの」
何言ってんだ?
「あなたはまだ知らないだけ、大丈夫。私が教えてあげるから」
「教える?何を?て言うよりあんた誰だよ?」
始めに聞くべき事を俺は今更ながらだが聞いた。
「うん。じゃああなたの家に案内して」
-ハルの部屋 PM10:00-
こうして現在に至る。
いや、つい案内して部屋あげちゃったけど…。
冷静に考えてまずくないか?
さっき会った女を部屋にあげて、なんか危ない人なのかな…。
などとイロイロと考えながらとりあえず頼まれたお茶のおかわりを用意し手渡す。
「ありがとう」
よく見れば、身長は小さいが腰まで伸びた銀色の長い髪。瑠璃色の瞳に白い肌。
スタイルもそこらのモデルなんか目じゃない。
…可愛いな。
「それにしても、狭いわね」
辺りを見渡しながらボソリと言う銀髪の女。
「ほっといてくれ!男の一人暮らしなんだ、これくらいが普通なんだよ!」
キッチンに風呂、トイレ、そして10疊程の部屋が一つ。
東京でこれだけ借りようと思ったらそりゃもうた馬鹿にならない家賃を払うんだ。
「そんなことより、まずあんたの名前とか何者なのかとか教えてくれ。それから歌が生き物とか…」
「ちょっと待ってよ。順番に話すから」
銀髪が揺れる。
「私は…転生使」
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