第1章 ―舞い降りた雪―

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「なぁっ…何やってんだ!危ねぇから降りろって!」 俺の言っている事なんて耳に入っていないのか、彼女は星を見上げている。 そして振り返り俺を見て言った。 「見ててね」 女はニコッと笑い、そのまま頭から飛び降りた。 「…ッッ!」 なっ!馬鹿!ここ3階!しっ…死んだー。 「おいっっ!」 俺はベランダから身を乗り出し下を見た。 「…あれ?いない?」 確かに飛び降りたはずなのに…あるはずの死体が…。 「ここだよ」 頭上からの声に俺は驚いた。 「わっ!」 白っ!…じゃなくていつの間に?…でもなくてっ! 「な…なななんだよ…その羽みたいな…」 あまりの出来事に俺の声は震えていた。 「それより…お前なんなんだ?…な、なんで宙に浮いてんだよ!」 彼女は銀色の大きな羽を広げ笑いながらこちらを見ている。 女の足元には…なにもない。 文字通り浮いていた。 俺は腰を抜かし尻餅をつく。 「なっ、な…なっ!」 俺は言葉にならない言葉を発しながら体を震わせていた。 「コレは羽だよ?信じてくれたかな?私は転生使、人間じゃないんだよ?」 そう言いながらベランダに降り立つと、銀色の綺麗な羽で俺を撫でた後、羽は小さくたたまれた。 「とりあえず寒いし、中入ろっか」 笑顔の彼女に俺は何も言えなかった。
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