―狐と小狼―

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~…‥ッ! 『松本の野郎…‥っ』 苛立ちながら、 自隊の副官に対しての怒りの一声を呟きつつ筆を滑らせるのは小狼こと、 十番隊隊長・日番谷である。 彼が有能な故に仕事を放棄しては消えた副官は何処だろうか‥ 嗚呼、彼処か…。 彼は筆を滑らせつつそう呟けば或る場所が思い浮かんだのだ。 居酒屋では無く、 とある隊舎。 その場所が思い浮かんだのと同時に、ある男の顔も連想してしまった。 何故連想したのか。 それは―‥… ここ数日、 明らかに自分へと向けられた妖しげな笑みに気付いてしまったからだ―‥… 彼は其を忘れようと筆を滑らせては溜め息をついた。
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