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サァァァ――…
冷たい風が吹き、木々の葉を揺らす。
「寒っ…。そろそろ寝よう。
翠、行こう。」
少女は寒さに耐えきれなくなり部屋に戻ろうと腰をあげる。
しかし翠は塀をただ見つめて動こうとしない。
「翠…?」
少女の呼び掛けにも反応せず塀を見つめる翠。
少女はしかたなく抱き上げようと手を近づける。
「ミャア。」
「あっ翠!」
少女の手が触れようとした瞬間、翠は一鳴きし先程まで見ていた塀に向かって歩きだし、ヒラリと身軽に塀を飛び越え見えなくなってしまった。
「ちょっ…翠!!」
少女は慌てて裏口に回り、翠を探しに路地へ出た。
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