第 弐 章

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        「ミャア。」     「あ?」     呆然と月を眺めていた稔麿は猫の鳴き声に思わずびくつく。       鳴き声がした足元を見ると、黒い毛並みに珍しい翠色をした猫がいる。 ただジッと稔麿を見つめている。         「お前、俺の行く手を阻むのか?  俺は猫でも邪魔な奴は斬るよ?」       稔麿は軽く殺気を放ち刀に手を添える。     黒猫は殺気を感じたのか耳をピクッと動かしたが、それでも稔麿を見つめ、退けようとしない。         稔麿はハァと溜息を吐き、刀を鞘から抜き斬りかかろうと片足を前に出した瞬間、後ろから女の声がした。         「ちょっと待って下さい!」         そう言いながら走ってきたのは先程の少女だった。          
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