第 弐 章

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          「なぜその子を殺すのですか?!」       走ってきた少女は息切れをしながら稔麿に問う。         「こいつは俺の行く手を阻む。  邪魔な奴は斬るもんだろ?」     「そんな…。」         稔麿の答えに少女は愕然とする。     それもそのはず…。   足元に猫がいるからといって避けて通れないほど狭い道ではない。           「その子は私の友達なんです!  どうかお願いします。  その子を殺さないで下さい…。」       少女は瞳に涙を溜めながら頭を下げ請う。     そして稔麿はそんな少女を見てニヤリと笑う。 それは何かを思いついたような悪戯っ子のような笑みだった。           「ふーん。そんなにこの猫が大事なんだ?  なら君がその猫の変わりに  俺に斬られるならいいよ。」     「え…?」         (どーせ無理だろ。)         稔麿は少女が斬られる事を拒み、それを言い訳にして黒猫を斬るつもりだった。              
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