第 肆 章

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            「よく来たな。道に迷わなかったか?」     「えぇ、意外と分かりやすかったです。」           高杉は瑠璃の返事に満足し、まぁ入れよと笑顔で瑠璃を部屋に入るよう促す。     瑠璃は高杉の言葉に素直に従い、部屋に入った。       すると中に居る男達の視線が一気に瑠璃に集中する。         高杉は瑠璃が来る事を皆に伝えていなかった。     そして誰もが、ここに女が来る事を予測していなかった為、先程までざわついていた部屋が静寂に包まれた。             しかしそれもつかの間。 突如静寂は破られる。             「何故ここに来たんだ!!」           部屋に居た男の一人が声を荒げた。             瑠璃は急な怒鳴り声にびくつきながら声のした方を見ると、驚き、目を見開く。           まさかこんな所で会うなんて二人とも考えもしなかっただろう。           瑠璃の目線の先にいた男は、正しく(マサシク)瑠璃が会いたかった人。                   ……吉田稔麿だった。                
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