2083人が本棚に入れています
本棚に追加
「よく来たな。道に迷わなかったか?」
「えぇ、意外と分かりやすかったです。」
高杉は瑠璃の返事に満足し、まぁ入れよと笑顔で瑠璃を部屋に入るよう促す。
瑠璃は高杉の言葉に素直に従い、部屋に入った。
すると中に居る男達の視線が一気に瑠璃に集中する。
高杉は瑠璃が来る事を皆に伝えていなかった。
そして誰もが、ここに女が来る事を予測していなかった為、先程までざわついていた部屋が静寂に包まれた。
しかしそれもつかの間。
突如静寂は破られる。
「何故ここに来たんだ!!」
部屋に居た男の一人が声を荒げた。
瑠璃は急な怒鳴り声にびくつきながら声のした方を見ると、驚き、目を見開く。
まさかこんな所で会うなんて二人とも考えもしなかっただろう。
瑠璃の目線の先にいた男は、正しく(マサシク)瑠璃が会いたかった人。
……吉田稔麿だった。
最初のコメントを投稿しよう!