第 肆 章

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              「俺達と居る所を新撰組の奴らに  見られたらどうする?!  君まで罪人になるかもしれないんだぞ!」         (罪人…?)         瑠璃は稔麿の言っている事の意味がわからなかった。         なぜこの人達と居る所を見られただけで罪人に?   そもそも貴方は何者?         瑠璃の頭の中は混乱していた。         何も分かっていない瑠璃の表情を見て、稔麿はチッと舌打ちをすると、眉間に皺を寄せたまま部屋を出て行ってしまった。         「あっ…。」       稔麿が出て行く姿に何も言えず、哀しそうに見つめる瑠璃。           そしてその二人の様子を、ただじっと見ていた高杉が口を開いた。           「とりあえずお前ら。  言われている事に取り掛かれ。」         高杉が部屋にいる男達に言い渡すと、少しざわつくが、男達は直ぐに部屋を後にし、残ったのは高杉と瑠璃の二人だけになった。           「そういえば、名前聞いてなかったな。」       男達が全員出たのを確認し、高杉は瑠璃に話し掛けた。       「あっ、天乃 瑠璃と申します。」     「そうか。じゃあ瑠璃。  稔麿とは知り合いなのか?」     「稔麿…?」       瑠璃は聞いた事のない名前だった為、誰の事を言っているのか分からなかった。       「吉田稔麿。さっき、お前に怒鳴った奴。  知り合いじゃないのか?」     「あっ…。」           今ここでようやく稔麿の名前を知った瑠璃。       そして高杉の問いに対して、瑠璃は肯定していいのか迷った。                   瑠璃は迷った末に、稔麿と出会った経緯を話すことにした。               目をつむり、あの日の出来事を思い出す。 脳裏には三ヶ月前の出来事が、鮮明に映りだされる。         そしてそれをおもむろに、ゆっくりと言葉を紡ぎだした。             高杉は急かすことなく、瑠璃が話し終わる最後まで、静かに言葉に耳を傾けていた。              
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