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最後まで話し終わった瑠璃は、高杉の方をチラッと見る。
その視線に気づいた高杉は、瑠璃の頭をそっと優しく撫でる。
「稔麿を助けてくれて、ありがとな。」
そう言い、優しく微笑む。
瑠璃は稔麿に拒絶された哀しみと不安が、少しずつ和らいでいくのを感じた。
そして瑠璃はおもむろにに口を開いた。
「あの、貴方達は…罪人なのですか?」
瑠璃の直球の問いに驚くが、それは苦笑いと変わっていった。
「あぁ…俺達は長州の人間なんだ。」
「長州…。」
瑠璃は長州という言葉を聞き、佐幕派の新撰組と倒幕派の長州が対立している事を思い出した。
そしてその結果、長州の人々は京を追い出された事も…。
瑠璃には勤皇、攘夷、佐幕派、倒幕派…何が善で、何が悪か。
そんな難しい事は一切分からなかった。
しかし新撰組との関わりがある為、彼らが京の為に必死に闘っている事を知っていた。
しかしその対立している長州の人々…高杉や稔麿の事を悪い人とは思えなかった。
そしてそんな矛盾とも言える思いが、瑠璃の頭の中をぐちゃぐちゃにし、いつの間にか頬には涙がつたっていた。
その涙は止まる事なく、瑠璃の瞳からぽろぽろと溢れる。
「どーしたんだよ?!
泣くなって!」
高杉は急に泣き出す瑠璃に驚き、どうしたらいいか分からず、あたふたしてしまった。
そんな時、障子が静かに開かれ、部屋の中に稔麿が入ってきた。
そして静かに瑠璃と高杉の近くに腰掛けた。
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