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「ついつい遊んじゃった。」
口元を吊り上げたまま稔麿は呟く。
稔麿にとって新撰組との殺り合い(ヤリアイ)は遊びでしかない。
事実、原田の槍から受けた傷を何とも思っていない。
「うーん。でもこのままじゃ
さすがにまずいかな?」
今だに止まらない血…。
止血をしようにも包帯も何もない。
「何処かの旅籠(ハタゴ)に行くしかないかな。」
そして稔麿は近くの旅籠を目指して歩きだす。
歩きながらふと空を見上げれば神々しく光る月。
「今日の月は綺麗だねぇ。」
月に見とれてしまった稔麿は歩みを止めてしまった。
そこは【天乃屋】(アマノヤ)と書かれた看板を掲げた甘味屋の前だった。
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