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ってー事で、たどり着いたのが緑川家なんだよな。
「おー、蛍はまだ起きてるっぽいな」
蛍の部屋の明かりがついているのを確認する。
まぁ、何故俺が緑川家に足を運んだのかは言わなくても分かるだろうけど、ラムネを渡しに来ただけであって、決して蛍の顔を見に来たなんていう理由ではない。
「うん、決して蛍に会いたかった訳じゃないんだ」
誰にともなく一人で呟きながら、ラムネを玄関に置く。
「さて、帰りますかね…」
たかがラムネ一つを渡す為に蛍に出てきてもらうのもなんだか気の毒だから、今日は帰る事にした俺は、緑川家に背を向けてスタスタと歩き出した。
その時―
ボフンと頭に何かが落ちてきた。
「痛ってぇ…」
足元を見てみると、そこには佐藤くんが転がっていた。
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