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何でそんなに攻め攻めなんだ!いつもはビクビクしてるくせに。
ブスッとして視線を逸らした花子に、武蔵は小さく笑みを零した。
ああ、何だか暑いな、今日。
花子は自分の頬が、まさか真っ赤に染まっているだなんて、知りもしないのだった。
「さぁ、プリント見てください。ここがポイントってところは書き込んでおきました」
「…うわぁ。めっちゃ丁寧じゃん」
「教えながら解いていきましょうか」
「いや、これだけで十分だよ。よく分かる、分かるよ!ありがとう!!」
俄かに問題がすらすら解けるときに味わうような、ワクワクする気持ちが沸き起こる。
思わず笑顔全開になる花子は、武蔵からシャーペンを奪い、取り付かれたように問題を解いていく。
その様子を穏やかな笑みを浮かべて見つめる武蔵は、より花子の顔が見えるようにと、机に俯した。
「花ちゃん、かわいい…」
「!…馬鹿か!あたしはあんたを受け入れてるわけじゃないんだからな!オタクなんだから」
「…じゃあ僕の容姿がどうであれ、オタクでさえなければ大丈夫なの?」
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