攻め攻め

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「まぁ、そうだな。普通に友達になれたと思うよ」 「…やっぱ花ちゃんいい子だね」 「なんでそうなるのよ」 「僕さ、容姿とかには無頓着というか、あんま綺麗にしてないからさ、キモいキモいって、横を通り過ぎるだけでも言われてたんだ。なのに花ちゃん、あの日手を差し延べてくれた…。だから…いい子だなって、ね」  少し寂しげに笑った武蔵をぽかんと見つめた花子は、ややあって、にやりと殊勝な笑みを浮かべる。 「それであたしに惚れたのか」  何故そんな顔をするのかとでも言いたげな武蔵は、花子の瞳をじっと見つめて、微笑みながらすっと目を細めた。 「そうですねぇ」 「そうかそうか!いやぁすっきりした!」 「え?」 「あたしさ、何で武蔵に好かれてんのかわかんなくて、ずっとモヤモヤしてたんだ。そっかぁ…そういうわけかぁ…」 「花ちゃん…」 「あんたが優しいから、あたしも優しくしたんだ。自信持ちなよ。あ、でも、オタクは断固拒否だけどね?」  呆気に取られる武蔵に、人差し指をずいっと寄せた後、微笑んだ花子はぐうっと伸びをして、カタリとペンを手放した。 「よっしゃ、プリント終ー了ぉ」
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