櫂と陸

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陸がやっと 顔を あげた 『ありがとう。ごめんな』 一言だけ残して 僕の腕を放し 立ち上がろうとした 瞬間 僕は無意識に陸の腕を引き寄せ抱き締めた。 『・・・』 「大丈夫なんだな・・・陸・・」 抱きしめたがどうして良いか解らず その一言をしぼり出すのが やっと だった ・・・このまま 離したくない。 ずっとこうして 抱き締めていたい・・・ それが 自分の醜い本心だった。 「・・・痛いっ!痛いだろ!もぅ大丈夫だから、まじありがとう!珈琲でも煎れるから飲んでけよ。」 そう言って 陸は台所に向かった 暫くして 珈琲を持ってきてくれた陸が 『 俺・・・さ・ どうしたら良いのか本当に解らないっ・・』 涙声だ
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