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まるで死を宣告されたような衝撃が脳裏を走った。
幸福から絶望へと叩きつけられた様な虚無感に襲われ手紙を持ったまましばらく放心状態になってしまった。
お兄ちゃん?
その一言に反応して我に返った。
見ると妹の美嘉が心配そうにこちらを見ている。
どうしたの?大丈夫?
えっ?どうしたのって……
一瞬言いかけた……
その時、《話した場合その方には死んでもらいます。》というフレーズが頭をよぎりすぐに言葉を飲み込んだ。
大丈夫、大丈夫。
ちょっと考えごとしてただけだからさ。
心配ないよ。
オレは手紙を素早くポケットに入れながら笑顔でそう言った。
そっかぁ~。それなら良いんだけど……。
龍兄ちゃん、彰兄ちゃんみたいに美嘉を残してどっか行かないでね?
あぁ。お前や家族を残してどっか行ったりしないよ。
約束する。
良かったぁ。龍兄ちゃんまでどっか行っちゃいそうで不安になっちゃった。
じゃ~あたしお母さんと夕食の準備するから行くね。
あぁ。分かった。部屋で待ってるよ。
そう言ってオレは部屋に向かった。
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