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目を閉じたがやはりなかなか寝れない。
時間は23時55分。
もうすぐゲームが始まる。
すぐに何かあるわけではないだろうけど…。
外は台風の接近で予報通り大雨だ。
ピリリリリ……
そんなことを考えてると突然電話が鳴った。
もしもし…
龍?オレだよ
なんだ迅か
なんだって…
今さ~お前ん家に向かってるんだ。
したら雨降ってきてさ。
今日泊まっても平気?
今か!?ゲーム始まってるんだぞ!?
うかつに出歩くなよ
ゲーム?あぁ例のやつか
さすがに今日はないだろ
雨だし
そんなもんかな
じゃ~待ってるから早く来いよ
あいよ~
んじゃな
迅が来るのはちょうど良かった。
これからのことを話しとこう。
ところがしばらくすると玄関でドカン!!とすごい音がした。
大雨の中でも聞こえるほどの大きな音。
何事かと思い慌てて玄関へ行くと…。
なんと血だらけの迅がうずくまって倒れていた。
迅!?しっかりしろ!!迅!!いったい何があったんだ?
オレは迅に駆け寄りながら言った。
龍……逃げ……ろ。聞こえる様な聞こえない様な弱々しい口調で迅は呟き意識を失った。
すぐさま迅は病院に運ばれた。幸い命に別状はなかった。
このゲームを甘く見るなってことか?
武器がなかったとはいえ道場で修業してる迅が大怪我するほどの実力を相手は持っているのは確かだ。
それだけ本気で命を狙ってるのかもしれない。
果たしてクリアなどできるのだろうか。
そんなことを思っているうちに夜が明けてしまった。
いつの間にか雨は止み、最悪な気分のオレを裏切る様な眩しい朝日と綺麗な青空が目の前に広がっていた。
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