346人が本棚に入れています
本棚に追加
「ノォォーーー!! 惜しい!!!!まだ鈴ちゃんと話したかったのにぃぃ」
いきなり叫ばれビックリする鈴蘭に、桃城はお構いなしに話続ける。
「鈴ちゃん 鈴ちゃん 俺にお向かいが来ちゃったよ… 部活動はもう終わりの時間だから弓道部も終わってると思うよ 今度はゆっくりおしゃべりしような!」
じゃあなー と手をブンブン振って鈴蘭の後ろに眉間にシワをよせて立っていた副会長に走り寄った。 鈴蘭は、後ろを向き桃城達が見えなくなるまで手を振り替えした。
一方、雛菊・藤歳は―――
「奈月!!! 後ろの奴をこっちによこせ!!!!!」
藤歳は目の前にいる人物に怒鳴りちらしていた。
何故なら、目の前にいる長身でハーフと見られる青年の後ろには、彼の来ているユニフォームを掴んで隠れている雛菊がいるからだ。
「藤… そんな怒鳴っていたら雛だって恐くて出ていけないよ?」
困惑した表情で藤歳を宥めようとしている【サッカー部兼弓道部員 奈月・T・アルストロメリア‐なつき・T・あるすとろめりあ‐】
「雛も 藤歳に何かして怒らせたんならちゃんと謝らなきゃ 逃げるなんて駄目だろう?」
その言葉にしょんぼりした様子の雛菊を見て、藤歳はハッっと鼻で笑った。
それに気付いた雛菊は仕返しと言わんばかりにあっかんべーを藤歳に向かってしグラウンドを走り出したのだ。
当然、頭にきた藤歳は
「んの、やろーーー!!!!」
今まで持っていたカバンを地面に置き雛菊を追う為走りだした。
「藤歳っ!! 雛っ!!」
そんな奈月の呼びかけも虚しく、二人はグラウンドの隣に位置している林の中へと入っていったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!