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────7月14日 PM7:30───
大阪
「はぁ…今日も負けたのかぁ…」
泥だらけのサッカーユニフォームを着用した少年、斉藤 勇樹（さいとうゆうき）はゆっくりと人気のない路地を歩いていた
「何でうちのチームはいつも負けるんだよ…はぁ…」
勇樹は深い溜め息と共に俯いた
「な、何よ！」
突然、女性の大きな声が路地に響く
勇樹は顔を上げ声がする方へと視線を向ける
「ちょっと！私のカバンよ！あなた、ひったくりね！」
勇樹が見たのは帽子を深く被った怪しい男が、女子高生のカバンを取ろうとしている様子だ
（男が女子高生からカバンをすぐに取れないなんて……あの男が弱いか、あの女子高生が異常に力が強いか……てかそれより助けないと！）
「おい、そこのお前！その子から離れろ！」
そう勇樹が言うと男はピタッと動きを止め、ゆっくりと勇樹に顔を向ける
そして男は女子高生のカバンから手を離し、ポケットからナイフを取り出した
「ヒッ……」
（な、なんかヤバいやつに関わったかも）
ナイフを見た女子高生は声をあげ、目を見開き後ろにこけた
そんな女子高生に目もくれず、早足で男が勇樹に向かっていく
勇樹はカバンを置くと、今まで人を殴ったことのない拳を握りしめた
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