EXCEED ABILITY 第一話

3/5
前へ
/135ページ
次へ
──────PM7:30─────       大阪      弓道場 的の真ん中に矢が刺さった 「暇…」 1人弓を持って呟くのは鐘鋳 悠太(かねいゆうた) 彼は弓道部の部員である 練習終了後も夜遅くまで練習をしているのだ 「やっぱヤブ医者だったかな」 彼は数日前、眼科で目が悪いと言われたのだ だが、本人は悪くなるどころか日々良くなっていると感じる 「そろそろ帰ろうか…っ!…」 彼は突然両目を押さえた 「いっ…た…何っが…」 彼は不思議なものを見た 自分の手で目の前は真っ暗になっているはずだ しかし彼の目の前は暗闇ではなかった 自分の意識があるのはわかっている 彼は夢だと思うことにし、痛みがひいた目をゆっくりと開ける 何ら変わりない見慣れている道場が彼の目に移る (やっぱり気のせいかな) 彼は目を何度か擦ると更衣室に向かった 服を着替え終えた彼は帰ろうとした その時、道場の入口から勢いよくドアを開く音が聞こえた 「やっぱ…夢かも…いや、僕の頭がおかしいだけかな」 彼は驚いていた それもそのはず 先ほど見たものと同じことが起きているのだから
/135ページ

最初のコメントを投稿しよう!

179人が本棚に入れています
本棚に追加