179人が本棚に入れています
本棚に追加
──────PM7:30─────
大阪
弓道場
的の真ん中に矢が刺さった
「暇…」
1人弓を持って呟くのは鐘鋳 悠太(かねいゆうた)
彼は弓道部の部員である
練習終了後も夜遅くまで練習をしているのだ
「やっぱヤブ医者だったかな」
彼は数日前、眼科で目が悪いと言われたのだ
だが、本人は悪くなるどころか日々良くなっていると感じる
「そろそろ帰ろうか…っ!…」
彼は突然両目を押さえた
「いっ…た…何っが…」
彼は不思議なものを見た
自分の手で目の前は真っ暗になっているはずだ
しかし彼の目の前は暗闇ではなかった
自分の意識があるのはわかっている
彼は夢だと思うことにし、痛みがひいた目をゆっくりと開ける
何ら変わりない見慣れている道場が彼の目に移る
(やっぱり気のせいかな)
彼は目を何度か擦ると更衣室に向かった
服を着替え終えた彼は帰ろうとした
その時、道場の入口から勢いよくドアを開く音が聞こえた
「やっぱ…夢かも…いや、僕の頭がおかしいだけかな」
彼は驚いていた
それもそのはず
先ほど見たものと同じことが起きているのだから
最初のコメントを投稿しよう!