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「ありがとうございます…ってバスケ部の金沢先輩じゃないですか?!」
いちおーキャプテンなもんで。俺を知ってる奴はたくさんいる。
「ま、まさか金沢先輩に助けてもらえるなんて、めちゃくちゃ嬉しいです!」
何も答えない俺を無視してちっこい男は嬉しそうにしゃべる。
無表情な俺に気付いてちっこい男は冷静になったみたいだ。
「え、と、とりあえず手もほどいてもらっていいっすか?」
「あ、ああ」
上目使いに聞いてくるモンだから一瞬マジに女かと思った。
…ちょっと可愛いと思ってしまった。
ロッカーから何とか這い出て来た男は『萩原純也』と名乗った。
手首に食い込む程きつく縛られたロープはなかなかほどけなかった。
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