放課後 *短編

4/17
1048人が本棚に入れています
本棚に追加
/150ページ
  「ありがとうございます…ってバスケ部の金沢先輩じゃないですか?!」 いちおーキャプテンなもんで。俺を知ってる奴はたくさんいる。 「ま、まさか金沢先輩に助けてもらえるなんて、めちゃくちゃ嬉しいです!」 何も答えない俺を無視してちっこい男は嬉しそうにしゃべる。 無表情な俺に気付いてちっこい男は冷静になったみたいだ。 「え、と、とりあえず手もほどいてもらっていいっすか?」 「あ、ああ」 上目使いに聞いてくるモンだから一瞬マジに女かと思った。 …ちょっと可愛いと思ってしまった。 ロッカーから何とか這い出て来た男は『萩原純也』と名乗った。 手首に食い込む程きつく縛られたロープはなかなかほどけなかった。
/150ページ

最初のコメントを投稿しよう!