僕と売店。

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そして今日も僕は売店に居た。今日もお菓子を買うつもりだからだ。好きなお菓子は昨日のうちに聞いている。梓ちゃんは『飴』が好きだそうだ。 売店で飴を買った僕は迷わず梓ちゃんの病室に向かった。 「開けるよ♪」 そう言ってドアを開けると、沈みきった梓ちゃんがベッドの上で丸まって居た。 「ど、どうかした?」 「…の。」 「はい?」 「…ったの。」 「え、何?」 「だから!太ったの!見ればわかるでしょ!」 いきなり怒鳴られた。本当に女という生き物はわからない。それに『見ればわかるでしょ!』って言われても、ちっとも昨日の梓ちゃんとかわりがない。 「いや~、全然見てもわかんないけど。」 「ホントに?」 「ホントに!所で何キロ太ったの?」 「0.8キロ…。」 「そんだけ?」 「それだけって何よ!人が真剣に悩んでるのに!まだ一度しか会ってないのに図々しいのよ!大体、あんたの買って来たお菓子のせいで太ったのよ!」 僕はずっと怒鳴られ続けた。少し理不尽だと思いつつ、何も言わないでおく。 「ゴメンゴメン。馬鹿にするつもりも、太らせるつもりもなかったんだけど。大丈夫。全然見た目は変わらないから!」 「ホントに?」 「ホントに!それに0.8キロぐらい直ぐに痩せるって。」 「じゃあ今日からダイエットよ!」 「残念だなぁ~。じゃあ買って来たお菓子は僕一人で食べるか。」 僕はいかにも残念そうに飴などのお菓子を取り出し、梓ちゃんに見せつけた。 「痛ッ!」 突然頭に固い何かが投げ付けられた。地面に落ちたそれを見ると薄い文庫本だった。僕もその本に見覚えがあった。 「一輝のバカッ!さっきから何?嫌味?もう帰って。」 僕は怒られているのに少し嬉しかった。いや、マゾじゃあないよ?『一輝』って呼んでもらってだ。 「ゴメンゴメン。嘘、嘘。一緒に食べよう♪でも、ダイエットは良いの?」 「良いの良いの♪ダイエットは明日から♪いただきまぁ~す♪」 直ぐに梓ちゃんは機嫌が良くなった。何だかんだ言っても梓ちゃんも女の子なのだ。 「あのさぁ~。さっき投げてきた本、読んだことある?」 さっき投げ付けられた文庫本の話を僕は切り出した。 「勿論!あさのあつこさんのThe MANZAIでしょ!一輝も読んだことあるの?」 「あさのあつこさんの作品はほとんど読んだよ!」
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