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「一輝って意外と読書もするんだぁ!」
本当に意外そうに驚いている。
「意外って、僕は文系じゃないけど読書が趣味なんだ♪」
「じゃあ、あの本は読んだ!宮部みゆきさんのRPG!」
「読んだ読んだ!RPGは宮部さんの作品で1番好きかなぁ♪」
僕達はそれからも本の話で盛り上がった。森絵都さんがどうだとか、滝本竜彦さんがこうだとか、本の話で本当に盛り上がった。しかも梓ちゃんと僕の趣向が似ているのか、読んだ本がほとんど同じだった。そのおかげで2回しか会ってないのに僕と梓ちゃんの距離はぐ~んと縮まった気がする。
「もうこんな時間だぁ!」
気が付くと2時間も経っていた。
「そろそろ戻るよ。明日から始めるダイエット、僕も手伝うよ!中庭でも歩るかない?」
「イイね♪じゃあ明日の夜、迎えにきてね!」
「待った!なんで夜?」
本当におかしな疑問を聞いてみた。
「私、余り病室から出ちゃダメなんだって。だから夜!ダメかなぁ?」
梓ちゃんは上目使いに聞いてきた。こんな顔で聞かれたら断ることなんて出来ない。これが女の武器と言う奴かと僕は思い知った。
「全然イイよ♪夜の方が静かだし、人も少ない。昼に一回来ても良いかなぁ?見つからないようにルートも考えたいし。」
「わかった。じゃあ昼に♪」
そう言って梓ちゃんは手を振ってくれた。僕はそれだけで天国にも昇る気分だった。
幸せな気分なまま病室に戻った僕は、明日のルートを練った。幸せな散歩コースを。
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