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浩人の予想に反して、釜の中のご飯は白かった。
一瞬、浩人は拍子抜けしたが、中をさらおうとしゃもじを持った右手を伸ばした瞬間、その異変に気付いた。
米粒が、動いた…?
右手を引っ込め、釜の中を凝視する。
それは、米粒ではなかった。
乳白色の、1センチ足らずの虫…。
無数の蛆虫が、表面をびっしりとひしめき合うように覆い、蠢いていた。
(了)
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