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俺は次の朝、すぐさま課長に連絡した。
小山田課長は、俺と同じく、見える体質だ。ただ俺と違う点は、あの人は霊を全く怖がらない。
『あと2週間だろ、ガマンしろよ』
案の定の答えだった。
『今から別のマンションやらビジネスホテルに入ったら、いくらかかると思う?会社が認めてくれねぇよ。
て言うかよぉ…アイツらなんて、何をしてくる訳でもねぇだろ。いつも言ってるけどな、生きてる人間の方がよっぽど怖いって』
あっさりと却下された。
『それよっか、今回の納入先は大丈夫か』
「ええ。川島さんとこでは、マニュアルがよくわからんって、いつも通りお怒りでしたが」
『だろ?あの社長は気をつけろって。営業の態度には特にうるさいからな。口調から身だしなみまでな』
「今んとこは、うまくやれてるつもりですけど」
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