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漆黒の闇の中、私は部屋を見守り続ける。
空が白む。
陽が部屋に差し込み、青黒い私の左足首が照らされた頃、数人の男達が私の部屋を訪れた。
顔をしかめる警官。
落胆と憎悪の表情で私の死体を見やるのは、このアパートの家主だった。
そしてもう一人…ちらと姿を見せるなり、トイレへ駆け込んで嘔吐し始めた青年。
普段、顔を合わせても挨拶すら交わしてくれなかった、隣室の住人。…君か。
心配してくれたのか。
それとも、私の亡骸が発する異臭に耐えられなかったのか。
どちらでもよい。
ありがとう。
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