夢魔

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  「それって、ヨッキューフマンなんじゃねえの」  達也は、小馬鹿にするような口調で言った。 「そんなコトないって」  由美は、軽く唇を尖らせて言葉を返す。 「だってよぉ…俺と寝てる夜は何にも無いんだろ?それ以外の日は、全部そうなのか」 「…うん…。だからぁ、言うの拒否ってたのにぃ」  膝に抱えたクッションに顔を半分うずめ、上目遣いに達也を見る。 「てゆうかさぁ…いっそ同棲しちまうか。そしたら一気に解決すんじゃねぇの」 「だからぁ、欲求不満じゃないって」   「分かんねえぞ、シンソー心理ってヤツはぁ。それとも俺が、満足させられてねえってか」 「そうじゃないってば。エッチばっかりじゃなくて、ぜぇんぶで心満たされてるつもりだよ」  達也の表情に、安堵とともに、疑念を払拭しきれないという複雑な色が見える。  
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