炊飯器

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   浩人は、フワフワした気分で家路についた。  美樹との食事は楽しく、あっという間に時が経っていた。  美樹とは、また会う約束をした。今度は浩人の家に、ご飯を作りに来てくれる。お互いのバイトが休みになる、ちょうど一週間後に、またスーパーで待ち合わせることになった。  アパートの鍵を開け、部屋に入る。真っ暗な中のキッチンのあたりに、見慣れない赤いランプが点いていた。  照明をつけ、それが炊飯器の『保温』ランプであることを思い出した浩人は、食材を何も持ち帰らずに帰宅したことに気づいた。  ──しばらくは、保つだろう。  浩人は、炊き上がったご飯をほぐしもせず、ベッドに横になり、美樹の笑顔を思い浮かべていた。  
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