10.動揺

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 奈々はただ呆然とするばかりで、立っているのも少し厳しいぐらい体に力が入らない。  涼の事だけが悩みならば、樋口と会う事によって少しその苦しみが和らいだ。  その比重が樋口側に傾き……今や、立場が逆転してしまいそうになっているほどに奈々は樋口の存在を求めている。  なのに……彼は、何も言わずに海外へ行ってしまう。  この事は、弱った奈々をますます追い詰めることになった。 .
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