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視点を戻そう。
ここは、その超が付く程広大な城の玄関ホール。
そこには、先程欠伸をした体制のままの少年と、少年を怒鳴り付けた女性の二人だけがいた。
少年は眠そうな目を擦りながら、後ろの女性に振り返り言った。
「……誰?」
その瞬間、女性の白いコメカミに青い筋が走った。
「今の時間は講堂で入学式だろう!!何故ここにいる!?」
「何故だと?……聞きたいか?」
少年はニヤリと口角を上げて答える。
「迷ったからだ。」
「ド阿呆!」
女性は怒鳴り付けたと思うと、少年のフードをむんずと掴むとズルズルと少年を引き摺って歩いていく。
少年は何を思ったのか、少しの間ボーッとした後、静かに寝息をたて始めた。
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