148人が本棚に入れています
本棚に追加
ここは講堂
「……で、あるからして……」
壇上に上がった、役職者と思われる初老の男性が、既に三時間目に突入した、挨拶と言う名の魔法を披露していた。
効果は凄まじく、生徒は全体の9割以上、教員魔導師ですら半数以上が眠気を堪えて舟を漕いでいた。
ギィィィィ……「バタン!!」
と、既にカオスと化している講堂に、重々しく扉を開く音、そして閉まる音が響き渡った。
壇上の老人も話すのを止め、舟を漕いでいた人達と一緒に入口を見た。
そして、壇上の老人が口を開く。
「……エアリィ導師、何をしておるのかの?」
エアリィ導師と呼ばれた女性は、憮然とした態度で答える。
「迷子を連れてきました。」
「迷子じゃねぇッ!」
いつの間にか起きていた少年。
「迷っていたのなら迷子だろう。」
「あ、それもそうか。」
「……とりあえず、列に入ってくれんかの?」
エアリィは静かに頷くと、欠伸少年を生徒達の列に放り投げた後、教員魔導師達の並ぶ列へと入って行った。
最初のコメントを投稿しよう!