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そのままズルズルとだらけてしまった入学式は流れていき、退場となった。
「グゥ…はっ!!……あれ?終わったのか?」
鈴が目を覚まし周りを見回すと、既に移動が始まっていた。
「あれ?ドコ行くんだ?」
とりあえずついていく鈴。
入口に立っていた男性教員が、右手に持った紙の束を鈴へと向けてくる。
(なんだこれ?)
一番上の一束を貰うと、眼前の男性教員が声をかけて来る。
「ここを右に行った所の突き当たりに階段があるからな。その先は今渡した地図に書いてあるから見ながら行け。」
男性教員はそう言うと別の生徒に紙を渡していた。
(…一人一人に言ってるのか?…大変だなぁ…)
そんな余計な心配をしながら、言われた通りに歩いていく。
階段を登って少し行くと、左側に扉が現れた。
(二個目…三個目…あった。)
階段から数えて四つ目の扉を開く。
と、そこは一つの教室だった。
教壇を中心として、外側(入口側)に向かって段々と階段上にせり上がった、扇形をしていた。
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