魔導学園

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鈴がのんびりと教室を見回していると、一人の少女が肩を怒らせながら近づいてくる。 「ちょっとアンタ!」 淡い紅色の髪を腰ほどまで伸ばした、緋眼の少女が、目尻を吊り上げてこちらを睨んでいる。 「………」 が、鈴は一瞥した後で完全に無視して近くの席に座った。 黒板には「自由席」と書いてある。 「ちょっと!!」 少女が詰め寄る。 「…何?眠いんだけど。つーか誰?」 「人に尋ねる時はまず……「じゃあいい。」」 言うが早いか、机の上に自らの腕を枕にして顔を伏せる。 前髪のせいで表情が見えない為、寝ているのかは判らない。 「起きなさいよ!!」 言いながら少女は鈴へとさらに詰め寄る。 「…だから何?」 机に伏せたまま顔を向けて、問う。 少女は疲れたのか、ハァ、と溜め息をつくと鈴に向かって言った。 「アンタ、入学式に遅刻して来た人よね?」 「ああ。それが?」 「信じられない。ここは魔導学園の中でも名門中の名門『レミアス魔導学園』なのよ?それが何故アンタの様な腑抜けた人がいるのかしら?」 少女は嫌味を全面に出して言う。
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