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「さぁね。興味無いな。もういいか?」
問い返した例は、しかし返事を待たずに顔を伏せてしまう。
「ちょっと…「さぁ、ドコでもいいから席に着け!」…え?」
少女が入口の扉を見ると、先程鈴を引き摺っていた女性―エアリィ導師が立っていた。
エアリィ導師は立っている少女を気にせず教壇へと歩いていく。
鈴が顔を上げて横を見ると、少女はまだ立ち尽くしたままだった。
そのまま周りを見回すと、騒がしかった他の生徒達もいつの間にか席に着いている。
しかも、空いている席はどうやら鈴の隣だけの様だ。
「あ~…嫌かも知れんが、座れば?」
「うるさいわねッ!」
ガタン、と音を立てて椅子に座る。
教壇に向き直った鈴は、チラリと横目で少女を見た。
透き通った緋色の瞳に、筋の通った鼻。誰が見ても整っていると言える顔立ちの少女は、しかし綺麗と言うよりは可愛らしいと言える部類だろう。
それもかなりのハイレベルで、教室の男子生徒達がチラチラと少女に目線を送っている。
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