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「――……あ?」
「火影!」
「あ――ああ、千尋」
気が付いたらベッドの中だった。あたしの部屋じゃないけど、見覚えはある。保健室か。周りには……千尋と、渚と、壱と……葛西と、あと仲嶺。
今にも飛びかからんとしている千尋を気にしつつ、体を起こそうとする。
しかし、左肩真横の位置にいた葛西に、片手で押さえつけられた。
「まだ起きるな」
「ッ……何だよ、葛西。どこも痛いとかじゃないんだから」
「尚更だ。頭あげんな」
ぐん、と顔を寄せた葛西に、慌てて身をひく。煙草の臭い。……ピース?
「なあ、葛西。おまえ……」
「あ、ごめん――ちょっと黙ってろ、火影。まず皆に説明とか、色々と」
「むぐっ!」
がふ、と今度は口を掴まれた。こいつ、さっきからあたしに容赦ないな……。
あたしをホールドしたまんま、葛西は皆に向いて話し出した。
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