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「わお! クラス替え、出てるよっ」
「ん、どれどれ……ひゃあー、わたしまた火影と同じクラス! 運命かなあ」
「……壱は渚と、です。よろしくです」
「よろしくね、いっちゃん! 火影とちーちゃんもお隣りさんなんだから、遊びに行くし遊びに来てねえ」
「おう」
周りの奴らを押し退けて、きゃあきゃあと騒ぐ。主犯は渚だ。他の生徒、困ってんぞ……。
そんななか、あたしは皆に隠れて、溜め息をついていた。
必ずウチらが同じクラスか近い教室に固まるのは、まぐれでも何でもない。
あたしのために――あたしのために、姉貴たちが手を回しているんだ。絶対に。
じゃなきゃ、中一から高二まで、ずっと千尋と同じクラスになるなんて、有り得ない。
千尋は運命だなんて言うけれど……。
運命なんてもんがあるなら。
他に定めるもんがあるだろうに。
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