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ずうんと身体中に圧力がかかる。
落下速度が上がりベルトに頼るかたちで鈴木は椅子にしがみついていた。
しばらくすると圧力は消え、とてつもない衝撃が船を揺らした。
「着陸成功だな。」
イルビィは言った。
「スズキ、ようこそ。我が星カトラルへ!」
そういうとリーパーは晴れやかに宇宙船の扉を開けた。
鈴木が目にしたのは、イルビィの様な手の長い生物が行き交う町の姿だった。
それ以外の場所は、いたって地球と変わらない。
空気も同じ様に成分的に類似していて有害ではないようだ。
それにしても気味が悪い景色だ。
鈴木のいた地球にカトラル人という生物が存在しているような感覚だ。
カトラルに降り立った鈴木は懐かしいような、どこか新しいような感情をおぼえた。
しかし、その感情に浸っているわけにはいかず、入国許可をもらいに行くことになった。
カトラルを仕切る、地球で言うなら区役所のようなところで申請するらしい。
すれちがう人々の視線を気にしながらイルビィ達の後をついて歩いた。
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