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鈴木はありったけの食料と水を買い込み、ボイスに積み込んだ。
「………行くか。」
ボソリと呟き、自分の机に白衣を置いた。もう必要ないだろう。共に行く仲間こそいないが、あまり寂しくは感じられなかった。
鈴木はボイスに乗り込み、電池を取りつける。ボイスの扉を閉めて、操縦席に座り、ベルトをしめ、そしてエンジンをかける。
威勢のよいモーター音が鳴り響き、安定した音になる。ハンドルをゆっくりと引き上げ、機体を地面からはなす。
「じゃあな。」
そういうと鈴木はいきおいよくハンドルを引き上げる。
町が小さくなり、やがて雲に視界が隠された。それを越えると雄大な雲と空がはっきりと見えた。太陽が眩しい。しかし速度は落とさずに、オゾン層を越え…………。
鈴木にかかっていた引力が消えた。離陸成功だ。
「あれが地球。綺麗だなぁ。」
窓から外の景色を眺めながら言った。他にも綺麗な物がたくさんみえた。
輝く星たち。流れていく惑星。
鈴木はすっかり夢中になってしまっていた。
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