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その時だった。
鈴木は星にみとれていたせいで、近付いていた星の破片に気付きもせずにいきおいよくぶつかった。
ガシャーンと無音だった世界に音が鳴り響いた。
鼓膜が破けそうになるほどすさまじい音だった。
鈴木は怪我はなく無事だった。充電器のほうも、酸素製造器のほうも大丈夫だ。
しかし、衝突のショックでハンドルの自由がきかなくなってしまった。
がちゃがちゃとハンドルを動かそうとしてみるがびくともしない。
「参ったな。アクセル全開だ。」
進行方向に何も無ければ問題は無いのだが、前方には見たこともない大きな星があった。
「旅はもう終りか。」
そっと鈴木は言うと、静かに星にボイスが近付いて行くのを見つめていた。
なんとなく、引力でボイスが引っ張られている様な感じがした。
気が付けばかなりのスピードでその星の地面に落下しようとしていた。
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