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かなり重そうだ。率直に思った感想だった。皮のベルトを五枚ほどで装着しているのだろう。それだけでも足はかなり熱いはずなのに、皮と合成樹脂の底で出来ているブーツを履いているのだ。
「熱くないのか、これ」
「あまり見えないかもしれないけど、穴があいていて通気性はいいほうよ。ブーツの中にもメッシュが重ねて張ってあるから、全然熱くはないわ」
緊張はとうの前に消え去っていたらしい。彼女の明快な口調は途切れなかった。
「重そうに見えるが、そのへんは?」
「確かに重いわ。片方で一キロぐらいだったはず」
「ほう」
「履き慣れたので何ともないですけどね」
ユウキが歩き出すと彼女もついてきた。追い抜かされるかとユウキは気配を感じていたが、抜くことはなかった。隣に一緒に歩くかのように速度を合わせてきた。
「あのさ、ラミア。どこに行くつもりなんだ?」
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