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「そういえば、おまえさんの側近の大臣は何人いるんだ?」
「あ、ああ、四人だ。その下に個々の担当する別の大臣はいるが……実質現在、王の代行しているのはその四人だけだ」
ふうと一息バーテンはついてから、
「大変だねぇ、王様がこうも遊んでいたら……」
「俺だって訳わからねぇよ。王様という身分を勝手に俺に譲渡すると決め込んだのはあの四人と前王だ!」
ユウキは声を荒上げた。後ろに座っている三人組の視線が背中にあたりつつも、無視して、グラスの中身を飲み干した。
「そもそもなんで国の危機から救っただけで王様までに昇進しなきゃならねえんだ。いきなり最上段まで上り詰めちまったじゃねえかよ」
「おいおい、ユウキ酔っ払ってきたのかい? たかが水割りで?」
ユウキは酔ったような勢いでぺらぺらとしゃべり始めてきた。バーテンもグラスを磨くのを途中で止め水を差し出してきた。
「だいたいな、平和だと思い込んでんだか知らねえけどよ、未知の大陸からわけのわからない怪物が頻繁に発生しているらしいんだぞ。毎日だ。空を飛ぶ怪物がいないからその大陸だけに留まっているけどな、いずれ鳥類系の怪物も出てくっぞ! その時に討伐隊結成しても手遅れなんだっ」
ドンとカウンターを叩き、同時にしんと店内が静まる。
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