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「世の中上には上がいるもんだな、ユウキ」
「ほっとけ。俺は飲みすぎは体に障るから、飲まねんだよ。それよりいいのか? 未成年にアルコールのませて」
そっぽを向きユウキはグラスを口に持っていった。
隣にいる彼女から、不思議な質問が聞こえたのはその直後だった。
「マスター、ユウキ・レデュームって人物を探しているだけど、どこに住んでいるか、わかりません?」
「…………」
ユウキは顔を正面に向きなおして、目線を右にずらし彼女を観察する。見るとグラスのミゼルワイドをもはや、飲み干していたのである。
「は?」
さすがのバーテンもわけが分からなかったようだ。もう一度聞きなおした。
「誰と言ったんだい?」
「ユウキ・レデュームよ。この王都にいるって聞いたものでして、でもこの王都がやけにきっぱりと整備されわかりやすいんですけど、人口も多くだだっ広くて、見当もつかないんですよ」
「ユウキ・レデュームってどういう人か知ってここに来たのかい?」
「この王都の住人だってことくらいしか聞いてません」
「…………」
バーテンは前で腕組をして、かぶりを振った。さすがにお手上げであるといった感じである。
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