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しびれをきらしたユウキは立ち上がって名乗り始めた。
「お嬢さん、俺がユウキ・レデュームだ」
「……同姓同名ですか? 困りましたねニセ者が現れたようで」
「おいっ! 真顔でそんなこというなよ。ユウキ・レデュームを探しにきて、それを名乗る男が現れたっていうのに、その真偽を確かめないまま偽者と決め付けるのはどうかと思うぞ俺は!」
彼女は右手を出し、指を三つ立てた。
「確立はこの三分の一。同姓同名か、変装して名乗っている影武者か、もしくは本物……」
わなわな震えながら、両こぶしをカウンターにどんと叩きおろして、
「本物だっつーの」
少女は訝しげに眉間にしわを寄せながら冷たく言い放つ。
「では、その証拠かもしくは証人を出しなさい」
「お前はなにしにこの王都に来たんだ!」
そこでバーテンが割って入った。
「お嬢さん。こいつがユウキ・レデュームなんだよ」
そう言われて彼女は不服な感じではあるが一応納得したようだった。
「では、彼は本物のユウキ・レデュームなんですね?」
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