目覚める姫

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「あれ?ソルは?」 ソルが出ていったすぐ後にルナとライズがアップルパイを持って帰ってきた。 「体調が悪いそうなので、先にお休みになりました」 「そっか、今日は姫の日だしね…」 「姫の日…?」 「あれ?『黒姫』の話は聞いてない?」 スズランが首を傾げながら聞くと、アップルパイをかじりながらルナが聞き返してきた。 「ソルさんの魔武器ですよね? 理由はわからないけれど血を吸うとか…」 「そう、それそれ、今日はその姫に血を吸わせる日だからね~…体調悪いのはそのせいでしょ」 「血を…吸わせる…?」 エリスが首を傾げながら聞くと、ルナは頷く。 「自分の体に刺して吸わせるの」 「「えぇ~!?」」 スズランとエリスが声を上げて驚くと、ライズが苦笑いを浮かべた。 「これが大丈夫なんだよ、何か血を吸う時は体に傷がつかないんだ。 まぁ、他の奴は普通に傷つくらしいけどな…持ち主を傷つけない魔武器なんだってよ」 「そう…なんですか…」
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