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「怒らせちゃった…かな…?」
「怒ってるというよりは呆れてるって感じだったけどね…」
ソルの殺気が消え、二人は徐々に体を動かし始める。
「私が成長しないから…かな…」
「それは無いと思うわよ?
昨日、ルナさんが魔力は予定通りだって言ってたでしょ?」
「じゃあ…何で…かな?」
「違い過ぎるんだ」
いつの間にか現れたレインの姿に驚きながら、その言葉に疑問を持つ。
「魔力とか技術がですか?」
「いや、そういう事では無い…
戦っていればわかる事だが、お前らは甘すぎるんだ」
キィン!
レインはレーヴァテインをエリスの目の前に突き付けた。
エリスは全く反応できずに生唾を飲み込む。
「こういう事だ、お前らの攻撃には全く殺気が無い」
「殺気って…訓練で――」
「訓練でも私達はお前らに殺気を向けているだろう?」
スズランの言葉を遮り、レインはスズランを睨みながら問う。
スズランは何も言えなくなり、黙った。
「殺気の無い攻撃など、脅威でも何でもない…敵に殺気の無い攻撃をしてどうする?
私達と違うとは、そういう事だ…特にソルとはな…」
レインはレーヴァテインを鞘に納め、訓練場を出ていった。
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