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「じゃ、じゃなくて!何で止めなかったの!?」
「止める理由が無い」
「ここを出ていっちゃうかもしんないんだよ!?」
「その程度だったって事だ。
危なくなる時期まで放置する」
「…!!」
パン!
ルナはソルの頬に平手をくらわそうとしたが、いとも簡単に止められた。
「痛っ…!」
止められた手に徐々に力が入り、ルナは顔を少し歪める。
「敵意を確認した、弁解が無ければ敵と判断するが?」
その言葉とともに更に力が強くなり、ルナの手から軋むような音が聞こえる。
「も、申し訳…ありません…!」
「それでいい」
手を離し、また同じ体勢に戻る。
ルナは手を押さえながらソルから離れた。
「ソルの…馬鹿…!」
「ルナ」
名前を呼ぶとともに何かが点滅している画面が表示された手の平程の大きさの機械をルナに投げた。
「何よ!?って…何これ?」
「フライヤーに着いた発信機の追跡装置だ、スズランのに設定してある」
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