プロローグ

2/2
837人が本棚に入れています
本棚に追加
/355ページ
コンコン。 「入ってきたまえ。」 「「失礼します!」」 椅子に座る男性の声に応じ、二人の女性が部屋へと入る。 「本日より『第三空隊』に所属することになった『エリス』二等兵です!」 「同じく『第三空隊』に所属することになった『スズラン』二等兵です!」 二人の敬礼に座っている男性も立ち上がり敬礼する。 「第三空隊を管轄している東方連合国軍元帥の『トール』だ。 早速だが、向こうの隊舎に向かってもらいたい。 外に航空機を用意させてある。」 「「はい!」」 「それと…一つ聞きたいのだが…」 トール元帥は困ったような顔をしながら頬をかく。 「君達は…本気でこの隊に配属する気なのかね?」 「え…?」 「どういう…意味でしょうか?」 二人はトール元帥の言葉の意味がわからず、きょとんとした。 「あ、いや…なんでもないんだ。 着いたら向こうの隊長によろしく言っといてくれ」 「「は、はい!失礼します!」」 敬礼し、二人は踵を返す。 「「?」」 パタン。 二人はトール元帥の様子に首を傾げながら部屋を後にした。 「まさかあそこに配属を希望する者がいるとは…しかも二人…」 トール元帥は二人の配属される部隊に関する書類を手にとった。 「良くも悪くも軍のはみ出し者の部隊…『第三空隊』…しかし…」 トール元帥は椅子を回転させ、後ろの窓から空をみた。 「最強の部隊なのは確かか…」
/355ページ

最初のコメントを投稿しよう!