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「(これは…!)」
その炎はトールの隣に集まり、形を変えていく。まるで生きているかのように…
「この子が前の【闇贄】なんだ~…」
炎からは女性の声。
そしてトールの隣に集まった炎は女性の姿となった。
「中々、可愛いじゃない!」
「(こいつ…!)」
現れたのは銀髪のポニーテールに赤い眼をしたスズランとエリスくらいの小柄の女性。
だが、その女性からはとてつもない魔力を感じた。
「!!」
トール以外にも気配を感じてソルは後ろを振り向く。
「おや、気付かれましたか…」
扉の横の壁が歪み、眼鏡をかけた黒髪の男が姿を現した。
「君の【擬態】がばれるとは…流石はソルだな…」
「トールさんの言う通り、凄い人物ですね…『アイム』さんの炎の姿を見ても冷静ですし」
男がそう言うと、アイムと呼ばれた女性は頬を膨らませた。
「ちょっと『レオン』!まるで私が化け物みたいな言い方やめてよね!」
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